hiyodori_patransの特許翻訳日記

特許翻訳のあれこれを綴るブログです。

「~により~できる」はどう訳す?

「~により、~できる」という文章、よく出てきますね。

どのようにも訳せるのがかえって悩みどころですが、

発明の効果を表す場合を想定して、簡単な例文で翻訳パターンを色々考えてみました。

 

「厚みを薄くすることにより装置を軽量化することができる」

(1) By reducing the thickness, it is possible to reduce the weight of the apparatus.

(2) The weight of the apparatus can be reduced by reducing the thickness.

(3) The thickness is reduced, so that the weight of the apparatus can be reduced.

(4) Since the thickness is reduced, the weight of the apparatus can be reduced.

(5) The thickness is reduced, thereby reducing the weight of the apparatus.

(6) Reducing the thickness reduces  the weight of the apparatus.

(7) The thickness is reduced.  This reduces the weight of the apparatus.

 <検証>

(1) 超直訳だが、これがいいという方もいる。

(2) by は手段、方法を表すので「することによって~を製造する」などの場合はよいが、発明の効果を表す場合にはどうか?

 (3) so that はコンマを打てば結果を表すので英文としてはOK。が、so that やsuch that は、前の文を受けて「~のように」と前の文を限定する意味で使われることが多い。

(4) 軽量化することの理由を単に述べているならよい。ただし、sinceが導く内容が長い場合、読みにくい。

(5) これに似た形として "..., which reduces the weight of the apparatus" のように、

whichで前文すべてを受ける書き方もある。thereby の後が短いならよいのでは。ただ、therebyが何を指すのか不明なので避けたほうがいいという意見も多い。

(6) 前からスラスラ読める。文が短いならよい。

(7) 「~により」の内容が長ければ、このように2文に分けると読みやすい。thisが何を指すのか分かりにくければ、this configurationとしたり、内容全体を受けてreduction of the weightと言い換えてもよい。最近の訳文ではこの形をよく見かける。

 

絶対これという正解はない(はず)なので、

前後関係や文の長さを考えて(それからお客様の好みも)

適宜使い分ければよいと考えています。