hiyodori_patransの特許翻訳日記

特許翻訳のあれこれを綴るブログです。

「自装置」はどう訳す?

「自装置」という言葉を明細書でよく見ませんか?

そのまま訳そうと思うとなかなか悩ましい言葉のひとつですね。

 

"自装置"weblio の例文検索でかけてみると、

self device とか

own device (apparatus) とか

翻訳者の苦労の跡が伺えます。

でも、self device では、なんのことやらわかりませんね。

 

「自装置」という表現が使われている文脈では、

複数の装置がネットワークなどを形成していて、

例えば、ある装置(の通信手段など)から他の装置へ何か(例えば指令)を送信する、

という場合が多いようです。

 

この「ある装置」を基準にして、

自己の装置とその他の装置という視点で考えることから、

「自装置から」とか「自装置の〇〇手段により」といった表現が生まれてくるわけです。

 

これを踏まえて、「自装置」の訳語としては、

「自己」という意味を無理に入れるのではなく、

文脈に応じて「装置」を客観的に淡々と訳すほうが

わかりやすいのではないでしょうか。

 

具体的には、「装置」が「処理装置」の場合、

「自装置の通信手段」は

the communication means of the processing device というように。

 

明細書の実施形態の記述では、たいてい参照符号がついているので、

同様の装置が複数あったとしても、

自装置Aは the processing device A 、

他装置Bは the (または another でも)processing device B 、

とすれば区別できるのではないかと。

 

このように考えていたところ、

「第12回知的財産翻訳検定」に「自装置」問題が出ているのを発見しました。

講評を見ると、「自装置」が何を指すか具体的に訳せているかが

採点ポイントになっていたようです。

標準解答では、「自装置による画像形成速度」を

an image formation speed of the image forming apparatus と訳してありました。

その前提として、

an image forming system comprising a plurality of image forming apparatuses

と導入部に記載されています。

 

http://www.nipta.org/ExamResult_12-1_J.html

 

↑ 参考になります。