hiyodori_patransの特許翻訳日記

特許翻訳のあれこれを綴るブログです。

AIにできないこと、人間にしかできないこと

AIがどこまで何をできるのかは、翻訳という仕事柄 気になるところなので時々関連本を読むのですが、その中から一冊ご紹介。

 

人工知能ロボット「東ロボくん」の開発者である方が書かれた本です。

 

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

 

これは、中学生くらいのお子さんがいらっしゃる方はぜひ一緒に読んでみて下さい。

 

この本では、

 

AIは計算機なので、論理、確率、統計で表せることしかできない、意味を理解することはできないので、シンギュラリティは来ない、と論じられています。

 

そこで、AIは「意味はわからない」のだから、その逆の、一を聞いて十を知る能力、応用力、発想力があれば、AIに勝てる、しかしその基礎となる読解力が今の子供には圧倒的に欠如していると警鐘を鳴らしています。

 

その「読解力」を判定する例題を紹介します。ぜひ(できればお子さんも)やってみてください。

 

(以下引用)

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(問1)次の文を読みなさい。

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

 

  Alexandraの愛称は(   )である。

①Alex ②Alexander ③男性  ④女性

 

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(問2)次の文を読みなさい

アミラーゼという酵素グルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

 

   セルロースは(   )と形が違う

①デンプン ②アミラーゼ  ③グルコース  ④酵素

 

 

答えはこちら。↓

 

 

 

(問1)① (問2)①

 

いかがでしたか?

私もうちの子(中2)にやらせました。一応 正解できて、母はほっとしました。

 

(問2)は、特許文書でもよくお目にかかる文体で、日本人独特のよくある文体ではないでしょうか。ちょっと素直に訳しにくいし、機械翻訳にかかりにくいかなと思います。だからこそ、自分の存在意義もあるわけなのですが。

 

ちなみに、最初の問題(問1)の中学生の正答率は38%だそうです。

 

 

私は、この本に書かれている「機械は意味を理解しない」という点が示唆に富んでいると感じました。

 

「意味を理解しない」とはどういうことなのかは、本書を詳しく読んで頂くとして…

 

例えば、ニュースのクリッピングなどは、AIが膨大な情報からうまくまとめることが得意そうです。関連性だけを調べればよいので、理解も共感も感情もいらないですし。

 

人が体験したことや感じたことは、別の人にとっては、大きな「意味」を持つことだったりしますよね。AIは膨大なデータを解析できても、体験したことに意味をもたせることはできません。

 

私のブログは、仕事のことを中心に「私はこうしていて、こう考えるんだけど」ということを書いています。大部分の人にとっては何の役にもたたない情報かもしれないけれど、いつか読んだ人が「あ~そうなんだ」とか共感したり、ヒントを感じてもらえると嬉しいなと思います。