hiyodori_patransの特許翻訳日記

特許翻訳のあれこれを綴るブログです。

機械翻訳はバカ?

 「10年後の仕事図鑑」が本屋さんにずっと平積みしてあるな~と気になりつつスルーしてましたが、先日買って読みました。

引き続き同じ落合陽一さんのこちらも読んでみました。

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

 

「自動翻訳」について詳しく述べられています。

よく機械翻訳をバカにする人がいますが、それは機械翻訳がバカなのではなく、話しているほうが対応できていないのです。誤訳が多いというのは誤りで、誤訳はそもそも、もとの文の構造が間違っていたり、曖昧な単語や文脈に依存する言葉を多用していたりすることが原因なのです。 

 …と書かれています。

 

まさにその通り!

特許翻訳でも昔の明細書に比べて、明細書がぐっとわかりやすくなっています。時々、原文があまりにも明瞭に書かれていて「これは、私が訳さなくても機械にかけれそうだな…」と思うことがあります。

とはいえ、それはまだごく一部。

意味を訳していかないと、言葉通りには全く訳せない(機械翻訳にかかりにくい)ものが半分以上かもしれません。あるいはそういう案件だけ回ってくるのかもしれませんが。

私は日→英の翻訳の仕事を主にしております。日本語の「何となく言葉をつなげると文になり、それでも何となく意味は通じる」という日本語に固有の問題が、「言葉通り訳せない」原因になっているなと感じます。英日だともっと、機械翻訳にかかりやすいのかもしれません。

 

「書き手が論理的な文章を書けば、機械翻訳で事足りる」というのは、前からある主張のような気がしますが、これはどこまで書き手に浸透しているのでしょうか。

機械翻訳にかけることを前提にするのであれば、英語の構文になじみやすい日本語にするなど、書き手にも素養が必要ですね。

うちの子供の学校教育を見ていて、「作文を書きましょう」という課題は与えられても、実際に文をわかりやすく書くという添削や指導は見たことがありません。

自分が受けた教育でも、英語の文法は習った記憶があります。が、「日本語をどう書くか」という教育を受けた記憶がありません。

 

機械翻訳にかかりやすいように文を書くよう指導するトレーナーという新たな仕事が生まれたりして…

 

しかし、技術文書はいいとして、量産されたような文章を読んでいて面白いものでしょうか。ちょっとわかりにくい書き方する人や、癖のある人もいますが、それはそれで個性で面白かったりもします。

これからは、いろんな文体で書けるように訓練する必要があるかもしれません。

 

翻訳の仕事としては、機械翻訳にかかりにくいような文の真意をくみ取りつつ訳すということを今後もやっていきたいです。

あまりにもすっきり機械のような文ばかり書いてこられると、本当に私がここで翻訳者として介在する意味って何?!って思ってしまいますからね。

 

 

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